横行する「ポークル売買奴隷船」現場発見か

奴隷船と思われる船に乗り込もうとする奴隷商人とポークル達


【イルファーロ総合ニュース】ディメント王国政府国務省は２０日までに発表した今年度の犯罪白書でイルファーロ市とリルガミン市を昨年度に引き続き、人身売買の対策に遅れが出ており、特にポークルを中心とした亜人種が被害者になるケースが激増していると警告した。

　亜人種の不当な差別や弾圧の根絶を目指す民間非営利団体のDHPPD（デミヒューマンプロテクションプロジェクトディメント）はこの報告について記者会見を開き、具体的な被害の実情を明らかにした。当団体独自の調査によれば、近年は被害者はノームの女性からポークル種全体に拡大しているという。３８０年までの被害相談件数のうち、７３％がポークル、１９％がノーム、７％がエルフ、１％がドワーフと集計された。

　ポークルの多くがお祭り好きな性格を利用され「お菓子をあげる」「みんなであつまって電車ごっこをしよう」などという虚偽の申し出を受け、ホイホイ奴隷船の中までついていってしまっていることが問題の根底にあるという。中にはポークルだと偽って紛れ込む人間もいるが、すぐに奴隷商人の手によって追い出されているようだ。

　DHPPDは３０レベル前半のポークルからの救援要請メッセージを公開した。そのポークルは亜人種専門のブローカーに騙され奴隷船の中に連れ込まれ、お菓子漬けにされているあいだに海外のポークル愛好家に売り飛ばされていた。お菓子の代金に法外な金額を要求され、借金の返済としてモフモフやペロペロを強要されたという。今月に入ってから当団体のことを知り、救援を求めた。DHPPDの救護チームが現場に駆けつけたとき、そのポークルは飴をなめており、その姿を無理やり愛でられていたという。

プロジェクト関係者は「ポークルは平和的な気質すぎて、犯罪に巻き込まれやすい。自種族の奴隷売買に対してもっと危機感を持ってあたって欲しい」と指摘し、現ポークル英雄会議や、ポークルの多くが所属する盗賊ギルドに対して注意を喚起した。

380年７月２１日　配信　（C）WIZONNEWS