熱血衛兵２４時 犯罪者大追跡SP

ついでに拍手画像も変更しました。

ここ、イルファーロ分署で一番若いのは新米衛兵の彼、エイ＝ヘウィさん（４１）

今年から衛兵詰所第四機動隊広場勤務として働き始めた彼に話を聞いてみた。

「いままで２０年間ずっと、牢屋番でしたからね。広場勤務になって、頑張らなくっちゃって思います」

：広場の安全を守る上で一番大変なのは何ですか？

「衛兵の仕事はほとんど犯罪者の取締ですから・・・奴らが広場に紛れ込まないか、いつも気を張っています。大変といえば大変かな、はははは」

闊達な笑顔を見せる、エイ＝ヘウィさん。しかし、言葉とは裏腹にインタヴュー中も周囲に不審者がいないか、警戒は怠ってはいないようだ、新米といえどもさすがディメント王国の騎士である。

「あ、そろそろ午後のパトロールなんで支度をします。それではまた。」

午後からは先輩衛兵のエウィ＝ヘーさん（６５）とパトロールに出かけるのが、彼の日課だ。





























冒険者に比べて圧倒的な力量を誇ると思われがちな衛兵だが、経験の浅い衛兵は孤立したところを犯罪者に狩られるケースも多いという。

「若い奴はすぐ一人でパトロールしたがるが、二人一組でお互いの安全を守ることが重要なんだ。そこらへんを早く学んでくれるといいんだが・・・」

経験豊かな先輩衛兵のエウィさんもそう話してくれた。

二人がオークション会場付近に近づいたとき、異変が起きた。

「あれ、茜（犯罪者）やないか？」

「ですね」

「尋問するぞ」

「はい」

犯罪者と思われるポークルがスラムの入口から出てくるところだったのだ。

「はいー、そこのポークルーちょっといいかな？」

二人が近づこうとしたとき、そのポークルは突然逃走！平和なイルファーロの午後に緊張が走る。

「本隊に応援、四機に総出でって要請しろっ！」

「はいっ！」





























応援を要請しつつ追跡を開始したが、犯罪者はなかなか捕まらない。

それどころか、こちらをあざ笑うかのようにオークション会場を縦横無尽に走り回る始末

付近の冒険者の迷惑を顧みず、暴走行為をやめないポークルの犯罪者・・・・

これは衛兵のメンツにかけても捕まえなければいけない。





























応援が駆けつけて、本格的な追跡劇が始まった。

犯罪者はオークション会場を南下して英雄の集う広場全体を走り回る

随分と街の地理と追いかけっこになれている様子である。

総勢１６名になった衛兵隊が、必死に追い込みをかけても捕まらない。





























犯罪者はひとしきり衛兵をからかうように走り回ると、なんとスラムに逃走してしまった・・・

まさかの、捕縛失敗である。





























衛兵隊は、各自持ち場に戻っていく。

その顔には落胆の色が濃い。

エイ＝ヘウィさんも少なからず落ち込んでいる様子である。

：今回は犯罪者を捕まえることができませんでしたね？

「たしかに、今回は残念な結果になりました。自分も未熟だったと思います。」

「けれど、私たちはどんな犯罪者にも全力で追跡し、牢屋送りにすることをやめません。努力していきたいと思います。」

そういうと、彼は曇のない表情で新たな決意を述べてくれた。犯罪者がこの街から撲滅されるまで、ディメント王国に血税が支払われ続けているかぎり、衛兵隊とエイ＝ヘウィさんの犯罪者への追跡は緩むことはなさそうである。