【孤独のシーフ】 愛欲と淫虐の館 拷問部屋のレアなし巨大箱

・・・・・・とにかく、トレハンに飢えていた。

俺は仕入れた羽毛石を置いておく倉庫で

プチロイヤルショップに格安の良い物件があるというので

見に来たが予想を上回る

課金仕様だった。

 

その上ボーナス日が近いせいか

財布の中にほとんど一銭も入っていない。ひどい。

クローク拡張した週くらい、安売りしていいはずだ。

RGも使えないし無駄足だった。

しかも・・・追い打ちをかけるように

倉庫の中には金がない。

まいったな・・・いったいどこにトレハンPTがあるんだ。

どこを見回しても開錠率100％を要求するTHI募集ばかり・・・

焦るんじゃない

俺は狩りに飢えているだけなんだ。

狩りに飢えて死にそうなんだ。

戦士「バカヤロー　二度とこのPTに来るんじゃねえぞッ！」

・・・・・・・・・・・・・・

戦士「この寄生シーフが！！火力すらねえのか！！」

盗賊「ゴメンナサイ　ゴメンナサイ」

・・・・・・・・・・・・・・

あーしまった。PT募集はここで締切か。

ああ・・・・情けない。

どこのPTにも入れずに何をやっているんだ。

噴水のベンチに引き返すか・・・・いやいや

同じ顔がウロウロしていたら粘着だってヘンに見られる・・・

くそっ

それにしてもPT入れねえなあ

‘PTは‘・・・・・・

どこでもいい

‘PT‘は無いのか

【THI＠１募集】
「ドロ酸ピック７・箱５↑LUK120↑orDEX110↑・デコイ・レシブレ必須・死ぬからって戦闘中攻撃の手を休めたら蹴り飛ばす」

・・・・・ええい！ここだ！はいっちまえ！

PT主「しゃぁ～い」

俺はできるだけ物おじせずはっきりとふるまう。

LUKどころかドロップアップすらとってないとばれたら厄介だ。

「拷問部屋希望で。デコイと箱開けあります」

PT主「はいよ、箱デコシーフね」

PTに潜り込んでしまうと少し気が楽になり

メンバーの装備を見回す余裕が出てきた。

しかし・・・みんなSR１３以上のマスター装備を７まで叩いているのはなぜだろう？

でもある種の美意識が感じられる・・・・

PT主「いらっしゃい　ガチしてくの？」

申請冒険者「ハメ狩り」

ハメ狩り！そういうのもあるのか

申請冒険者「おーい　棚ハメと狼扉ハメ２つ　えっと司教と僧侶ね」

おおいんだな・・・・・ハメ狩り

しかし盾役なしとは自分のところでデコイ炊くのか

PT主「はーい　拷問部屋狩りおまちどおさま」

・・・・・・・

【拷問部屋狩りPT】

＜廃火力侍＞
ほとんど+８装備。

＜転職中僧侶＞
レベルが高いため回復は任せられるものと思っていたら
予想に反して
MAと火力魔法のみを　たっぷりと習得して
横に申し訳程度のヒール。

＜忍者＞

＜司教＞
火ジェムと風ジェムいっぱい
火力はたっぷり

＜戦士＞
HP多し

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

うーん・・・忍者とシーフで箱開け係りがかぶってしまった

なるほど・・・このPTでは忍者だけで十分なんだな。

ｶﾁｬ…ﾋﾟｰﾝ

ｶﾁｬ…ﾋﾟｰﾝ

ウン　箱がよく出る。






























デコイとっておいて正解だった。

CTまでの間隔もちょうど良い。

プロボ連打するPTの中ですっごく賑やかな存在だ。

メンバー「GJ　GJ　箱開け失敗してもドンマイです」

なんだかあったかくていいPTじゃないか

まるで連休の初日の夜に狩る明け方のようだ。

しかし結局このワールドの中で狩る冒険者っていうのは

ほとんどエンジョイよりガチ勢なんだな

ふう・・・いっぱい箱開けた。

「レアでなかったけど・・・クエスト終了です。またよろしくー」

PT主「はーい　えーと　ありがとうございました」

俺はゆったりと街へ戻る。

インベがはちきれそうだ・・・箱を開けすぎた。

俺は噴水の近くでPTチャットに耳を澄ました。

メンバー「あいつ・・・大箱解除成功したのになにもドロー出さなかったな」

メンバー「ほっとけ、サーチペンダントも持ってないSR18の奴なんて」

おそらく・・・おれはあのPTには不釣り合いなシーフだったんだろうな。

（ちかくの別のPT、狼を扉に誘導している）

なるほど・・・あれがハメ狩りか。

冒険者１「お・・・ヤマさん」

冒険者２「一緒に鍛錬すべえよォ」

ようやく貯金が２ｍに到達した。

TRの仲間がINしたら寄生しよう。

来なければひとりでスティールでもしていればいい

そう思った。

おれは得体のしれない奇妙な満足感を味わっていた。


じゃあ・・・最後にお決まりの奴を・・・