このブログは、wizon wizardryonline (ウィザードリィオンライン)のプレイ風景をつづったものです
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ベントンが好きでした。
(前回までのあらすじ)
次回【僧侶】はこちら
【僧侶】第一回はこちら
海堂尊先生(バチスタとか書いた医師・小説家)すごいと思いました。
*追記;文章を書き直しました。念のため追記しておきます*
(前回までのあらすじ)
次回【僧侶】はこちら
【僧侶】第一回はこちら
海堂尊先生(バチスタとか書いた医師・小説家)すごいと思いました。
*追記;文章を書き直しました。念のため追記しておきます*
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僧侶③
「司祭!!」
隊の副官、レイジンガー達西門の警備にあたっていた戦士たちが、聖堂からの爆発音を聞いて駆け付けた。聖堂の中はひどい有様で、もうもうたる煙と瓦礫で何がどうなっているのか皆目見当がつかなかった。
「司祭を探せ。生きているものは全員聖堂の外に避難させるんだ。」
戦士たちは、がれきを撤去しながら生存者を探し始めた。
「レジーここだ、こいつをどかしてくれ。」
すると聖堂の崩れた一角の下から声がした。戦士たちが瓦礫を撤去すると、ポークルの野伏せが聖堂の扉に押しつぶされるようにして、埋まっていた。
「ハンナとガザン達もここにいる、無事だ。手を貸してくれ。」
ギゾックは、アンダーソンが打ち破った木製の扉を抱えて、動けない戦士たちの盾になり爆発の直撃から身を護っていた。
「副隊長!アンダーソン司祭です!!」
別の戦士がアンダーソンを発見した。爆風で飛ばされて、焼け焦げた蝉のように背を丸めて聖堂の反対側にうずくまっていた。
「まだ…息がある!僧侶、早く来てくれ!」
兵士が悲鳴のように叫ぶと、ハンナが瓦礫から抜け出してアンダーソンの傍に駆け寄った。
「ああ、司祭、司祭!」
半狂乱になりながら、アンダーソンに寄りすがったハンナは彼の顔を覗き込んで思わず息をのんだ。ひどい爆傷である。顔と胸の前面は重度の火傷を負っており、体幹には爆熱で熱せられて焼きゴテのようになった鎖帷子がバラバラのリング状になったまま張り付いていた。だがもっともひどいのは手で、ところどころ両手の指が欠け、手のひらに至っては炭化するか吹き飛んでいないところがないようであった。呼吸は弱弱しく、今にも止まってしまいそうだ。
「あああああ、どうしよう。」
恐慌状態に陥るハンナの肩を揺さぶって、傍にいたギゾックが言った。
「しっかりしろ、ハンナ。お前だけが今この隊の僧侶なんだ、お願いだ、アンダーソンを助けてくれ!」
ハンナは目をぎゅっとつぶって、両方の手で自らの角を握りしめた後、意を決したようにアンダーソンに向き直った。
―まず、創部の状態を確認、重傷から…
全身血まみれで、酷いのは手や顔の傷だが、はじめにどうにかしなければいけないのは気道だった。ハンナは松明の魔法を人差し指にだけかけ、アンダーソンの鼻と口の中を照らした。
―焼け焦げている…!
回復魔法を鼻から口、喉に沿って集中してかけると、すぐさまアンダーソンが激しくせき込んだ。
「誰か、水を持ってきてください!」
ハンナは水筒から水を飲せてやると、アンダーソンがかすれた声を出した。
「げほっ…そうだ…俺の言うことを始めてまともに聞いたな、ハンナ。」
「司祭!」
「まだだ、うまく…しゃべれない…喉の中の傷を完治させてくれ。」
「はい!」
重ねて回復魔法を口腔から気管にかけるハンナ。ほどなくして、アンダーソンはむせながら血塊を吐き出し、自分の体に再生の呪文をかけ始めた。
「ああ、クソっ耳がまだよく聞こえない…ハンナ、死傷者の数は?」
いまだ血まみれで目も開かない状態で、アンダーソンはそう聞いた。
「司祭のおかげで、ほかは軽傷者ばかりです。司祭がいなかったら…私たち。」
ハンナがアンダーソンが持ち直したことで安心したように言った。
「莫迦野郎。俺がいなかったら、お前がこの隊の第一僧侶だ。戦術指揮の訓練も戦闘訓練も一応受けているんだろうが。部下を一人残らず法制院のかび臭い詰所に帰してやるのがお前の務めだ。」
「は…はい。」
気弱な返事にアンダーソンがため息をついたとき、戦士の1人が瓦礫から救出された仲間の異変に気がつき、告げた。
「司祭、ガザンのやつの様子がおかしい、来てください。」
「俺はまだ目が見えん。ハンナ、行って診てこい。」
ハンナがその兵士に駆け寄って観察した。彼は膝を抱えて座ったまま、首を突き出すようにして喘いでいる。
「息が…苦しそうです。どうして?口や喉に傷はありません。」
ハンナが困惑した様子でそう告げた。
「まて、ハンナ。ガザンをあおむけに寝かせて服を脱がせろ。胸の状態はどうだ?何か異常なことはないか。」
言われた通りにしてみたが、ハンナの目では異常は見つからなかった。
「わかりません…何も…大きな傷もありません。」
「上から見るな、水平に、横から見てみるんだ。」
よく見てみれば、右胸の方が、左胸より膨らんでいるようだった。そのことを聞いたアンダーソンは顔色を変えて、ハンナにガザンの胸の周りを手で押すように命じた。
「ん…なんか…雪を掴むような…ふわふわした感触です。」
「しまった!爆発の衝撃で、折れた肋骨が肺に刺さったな!?」
アンダーソンが舌打ちした。
「司祭、どうすれば…胸部全体に回復魔法を施しますか?」
ハンナの未熟な経験と知識でも今この状態が一刻を争う状況だということは理解できた。連続で回復魔法を使い続けて疲弊していたが、あと一度や二度なら体部の広範囲に回復魔法を使うことができるだろう。
「いや、ダメだ。それは肺が破れたところから空気が漏れて胸の中で心の臓を圧迫しているんだ。肺の傷を治したところで、このままだと心の臓がつぶされていずれ死ぬ。胸の中に溜まった空気を抜かないと意味がない。」
「ど…どうすれば…」
まさか、とハンナが思いながら聞き返した。
「お前がやれ、ハンナ。手術のやり方は俺が口頭で教える。必要なものは俺が指示するから用意しろ。」
「えええええ!?」
「俺だってガザンの命をお前なんぞに預けるのは気に食わん。だがお前がやらなきゃ未亡人とてて無し子が一人増える、遺族年金をガザンの嫁さんと子供に渡すのが嫌ならさっさと準備しろ!」
アンダーソンが血痰を吐きながら、ハンナを叱咤した。
「は・・はぃぃ・・・」
ノームの女僧侶が弱々しく返事をした。アンダーソンはハンナにできるだけ細い刺突剣、隊員の持っていた携帯用の水煙草、強い酒、水をためた手桶を用意させた。
「司祭、持ってきました…」
「よし、水煙草の本体からパイプを抜け、刺突剣の刃と煙草のパイプに消毒の呪文をかけて、ガザンの胸に酒をかけろ。」
ハンナが大酒飲みのガーウェインの持っていたディメント王国産の蒸留酒をスキットルからガザンの胸にかけた、揮発するアルコールの匂いが鼻を衝く。ガザンは苦しそうに胸を押さえて呻いている。
「ガザンを抑えて、手足が動かないようにしろ、誰か手伝ってやれ。」
兵士たちが介助し、苦しむガザンに手拭いを咥えさえて治療肢位をとらせた。
青い顔で患者の前に立つハンナに、アンダーソンが指示を出す。
「いいか…鎖骨の下、膨らんだ胸の肋骨と肋骨の間に刺突剣を刺すんだ。間違っても肋骨の下縁を傷つけるなよ。大出血して、肺の中が血であふれかえるぞ。」
「ほ…ほんとうに刺しちゃうんですかぁ?」
クオパティ法制院の治療術者たちは、物理的な外科治療に強い拒否感を持つものが多い。戒律上刃物を持つことを禁止された彼らは、治療のためとはいえ人体に刃物を入れることを忌み嫌うのだ。実学的な外科や解剖は下賤な行為とされ、法制院国内での物理医学の発展を大いに妨げていた。
「ハンナ、俺が責任を持つ。やれ。」
ハンナがそろそろと刺突剣を肋骨の間に差し入れた。意識の低下したガザンが痛みに呻き、とっさにその手をはねのけようとする。
「お、抑えててくださいっ!」
額に脂汗を流しながら、破れかぶれになったハンナが叫んだ。戦士たちが必死にガザンを押さえつけた。
「んんんん、なかなかはいらないっ…」
鍛えられた戦士の厚い胸板は、治療のために刺し入れる刺突剣の侵入を阻んでいた。ハンナが刺突剣を持つ手に力を込める。
「ハンナ、気をつけろ。刺しすぎて奥の心臓を貫けば元も子もないぞ。抵抗がなくなるまで気を付けて刺すんだ。」
「うう…」
泣きそうな顔でハンナは慎重に刺突剣を刺し入れていった。ほどなくして胸筋を貫いた刃先が胸郭内に侵入する手ごたえがあり、ぶしゅうという音とともに血と空気が胸の中から噴き出した。
「は、入りました司祭。空気の抜ける音がします!」
ハンナが死に物狂いで指示を仰ぐ。
「よし。水煙草のパイプを刺し口に刺しこんで、反対側を水をためた手桶に漬けろ。」
そうすると、パイプの先から手桶の水を介してぶくぶくと気泡が出てきた。
「泡が出てます。空気が抜けてきてるんだ…」
「呼吸に合わせてパイプの先を指で押さえて空気の量を調整しろ。肺の中から空気が出てこなくなったら。魔法で肺の傷をふさげ。喜べ、ハンナ。ガザンは助かるぞ。」
ハンナは天を仰いで嘆息した。クオパティ法制院では絶対に行わない外科治療に、魔法を使う以上に消耗した思いだった。
「よかった…これでガザンさんの奥さんと子供に恨まれなくて済みますね・・・」
ほっとした様子のハンナにアンダーソンは悪びれずに言った。
「…ガザンは独り身だ。帰ったら誰かいい友達でも紹介してやれ。こいつはケツの小さい細身の美人が好みだ。」
戦士たちの笑い声の中、ハンナがげっそりした様子でアンダーソンをにらみつけた。
僧侶③
「司祭!!」
隊の副官、レイジンガー達西門の警備にあたっていた戦士たちが、聖堂からの爆発音を聞いて駆け付けた。聖堂の中はひどい有様で、もうもうたる煙と瓦礫で何がどうなっているのか皆目見当がつかなかった。
「司祭を探せ。生きているものは全員聖堂の外に避難させるんだ。」
戦士たちは、がれきを撤去しながら生存者を探し始めた。
「レジーここだ、こいつをどかしてくれ。」
すると聖堂の崩れた一角の下から声がした。戦士たちが瓦礫を撤去すると、ポークルの野伏せが聖堂の扉に押しつぶされるようにして、埋まっていた。
「ハンナとガザン達もここにいる、無事だ。手を貸してくれ。」
ギゾックは、アンダーソンが打ち破った木製の扉を抱えて、動けない戦士たちの盾になり爆発の直撃から身を護っていた。
「副隊長!アンダーソン司祭です!!」
別の戦士がアンダーソンを発見した。爆風で飛ばされて、焼け焦げた蝉のように背を丸めて聖堂の反対側にうずくまっていた。
「まだ…息がある!僧侶、早く来てくれ!」
兵士が悲鳴のように叫ぶと、ハンナが瓦礫から抜け出してアンダーソンの傍に駆け寄った。
「ああ、司祭、司祭!」
半狂乱になりながら、アンダーソンに寄りすがったハンナは彼の顔を覗き込んで思わず息をのんだ。ひどい爆傷である。顔と胸の前面は重度の火傷を負っており、体幹には爆熱で熱せられて焼きゴテのようになった鎖帷子がバラバラのリング状になったまま張り付いていた。だがもっともひどいのは手で、ところどころ両手の指が欠け、手のひらに至っては炭化するか吹き飛んでいないところがないようであった。呼吸は弱弱しく、今にも止まってしまいそうだ。
「あああああ、どうしよう。」
恐慌状態に陥るハンナの肩を揺さぶって、傍にいたギゾックが言った。
「しっかりしろ、ハンナ。お前だけが今この隊の僧侶なんだ、お願いだ、アンダーソンを助けてくれ!」
ハンナは目をぎゅっとつぶって、両方の手で自らの角を握りしめた後、意を決したようにアンダーソンに向き直った。
―まず、創部の状態を確認、重傷から…
全身血まみれで、酷いのは手や顔の傷だが、はじめにどうにかしなければいけないのは気道だった。ハンナは松明の魔法を人差し指にだけかけ、アンダーソンの鼻と口の中を照らした。
―焼け焦げている…!
回復魔法を鼻から口、喉に沿って集中してかけると、すぐさまアンダーソンが激しくせき込んだ。
「誰か、水を持ってきてください!」
ハンナは水筒から水を飲せてやると、アンダーソンがかすれた声を出した。
「げほっ…そうだ…俺の言うことを始めてまともに聞いたな、ハンナ。」
「司祭!」
「まだだ、うまく…しゃべれない…喉の中の傷を完治させてくれ。」
「はい!」
重ねて回復魔法を口腔から気管にかけるハンナ。ほどなくして、アンダーソンはむせながら血塊を吐き出し、自分の体に再生の呪文をかけ始めた。
「ああ、クソっ耳がまだよく聞こえない…ハンナ、死傷者の数は?」
いまだ血まみれで目も開かない状態で、アンダーソンはそう聞いた。
「司祭のおかげで、ほかは軽傷者ばかりです。司祭がいなかったら…私たち。」
ハンナがアンダーソンが持ち直したことで安心したように言った。
「莫迦野郎。俺がいなかったら、お前がこの隊の第一僧侶だ。戦術指揮の訓練も戦闘訓練も一応受けているんだろうが。部下を一人残らず法制院のかび臭い詰所に帰してやるのがお前の務めだ。」
「は…はい。」
気弱な返事にアンダーソンがため息をついたとき、戦士の1人が瓦礫から救出された仲間の異変に気がつき、告げた。
「司祭、ガザンのやつの様子がおかしい、来てください。」
「俺はまだ目が見えん。ハンナ、行って診てこい。」
ハンナがその兵士に駆け寄って観察した。彼は膝を抱えて座ったまま、首を突き出すようにして喘いでいる。
「息が…苦しそうです。どうして?口や喉に傷はありません。」
ハンナが困惑した様子でそう告げた。
「まて、ハンナ。ガザンをあおむけに寝かせて服を脱がせろ。胸の状態はどうだ?何か異常なことはないか。」
言われた通りにしてみたが、ハンナの目では異常は見つからなかった。
「わかりません…何も…大きな傷もありません。」
「上から見るな、水平に、横から見てみるんだ。」
よく見てみれば、右胸の方が、左胸より膨らんでいるようだった。そのことを聞いたアンダーソンは顔色を変えて、ハンナにガザンの胸の周りを手で押すように命じた。
「ん…なんか…雪を掴むような…ふわふわした感触です。」
「しまった!爆発の衝撃で、折れた肋骨が肺に刺さったな!?」
アンダーソンが舌打ちした。
「司祭、どうすれば…胸部全体に回復魔法を施しますか?」
ハンナの未熟な経験と知識でも今この状態が一刻を争う状況だということは理解できた。連続で回復魔法を使い続けて疲弊していたが、あと一度や二度なら体部の広範囲に回復魔法を使うことができるだろう。
「いや、ダメだ。それは肺が破れたところから空気が漏れて胸の中で心の臓を圧迫しているんだ。肺の傷を治したところで、このままだと心の臓がつぶされていずれ死ぬ。胸の中に溜まった空気を抜かないと意味がない。」
「ど…どうすれば…」
まさか、とハンナが思いながら聞き返した。
「お前がやれ、ハンナ。手術のやり方は俺が口頭で教える。必要なものは俺が指示するから用意しろ。」
「えええええ!?」
「俺だってガザンの命をお前なんぞに預けるのは気に食わん。だがお前がやらなきゃ未亡人とてて無し子が一人増える、遺族年金をガザンの嫁さんと子供に渡すのが嫌ならさっさと準備しろ!」
アンダーソンが血痰を吐きながら、ハンナを叱咤した。
「は・・はぃぃ・・・」
ノームの女僧侶が弱々しく返事をした。アンダーソンはハンナにできるだけ細い刺突剣、隊員の持っていた携帯用の水煙草、強い酒、水をためた手桶を用意させた。
「司祭、持ってきました…」
「よし、水煙草の本体からパイプを抜け、刺突剣の刃と煙草のパイプに消毒の呪文をかけて、ガザンの胸に酒をかけろ。」
ハンナが大酒飲みのガーウェインの持っていたディメント王国産の蒸留酒をスキットルからガザンの胸にかけた、揮発するアルコールの匂いが鼻を衝く。ガザンは苦しそうに胸を押さえて呻いている。
「ガザンを抑えて、手足が動かないようにしろ、誰か手伝ってやれ。」
兵士たちが介助し、苦しむガザンに手拭いを咥えさえて治療肢位をとらせた。
青い顔で患者の前に立つハンナに、アンダーソンが指示を出す。
「いいか…鎖骨の下、膨らんだ胸の肋骨と肋骨の間に刺突剣を刺すんだ。間違っても肋骨の下縁を傷つけるなよ。大出血して、肺の中が血であふれかえるぞ。」
「ほ…ほんとうに刺しちゃうんですかぁ?」
クオパティ法制院の治療術者たちは、物理的な外科治療に強い拒否感を持つものが多い。戒律上刃物を持つことを禁止された彼らは、治療のためとはいえ人体に刃物を入れることを忌み嫌うのだ。実学的な外科や解剖は下賤な行為とされ、法制院国内での物理医学の発展を大いに妨げていた。
「ハンナ、俺が責任を持つ。やれ。」
ハンナがそろそろと刺突剣を肋骨の間に差し入れた。意識の低下したガザンが痛みに呻き、とっさにその手をはねのけようとする。
「お、抑えててくださいっ!」
額に脂汗を流しながら、破れかぶれになったハンナが叫んだ。戦士たちが必死にガザンを押さえつけた。
「んんんん、なかなかはいらないっ…」
鍛えられた戦士の厚い胸板は、治療のために刺し入れる刺突剣の侵入を阻んでいた。ハンナが刺突剣を持つ手に力を込める。
「ハンナ、気をつけろ。刺しすぎて奥の心臓を貫けば元も子もないぞ。抵抗がなくなるまで気を付けて刺すんだ。」
「うう…」
泣きそうな顔でハンナは慎重に刺突剣を刺し入れていった。ほどなくして胸筋を貫いた刃先が胸郭内に侵入する手ごたえがあり、ぶしゅうという音とともに血と空気が胸の中から噴き出した。
「は、入りました司祭。空気の抜ける音がします!」
ハンナが死に物狂いで指示を仰ぐ。
「よし。水煙草のパイプを刺し口に刺しこんで、反対側を水をためた手桶に漬けろ。」
そうすると、パイプの先から手桶の水を介してぶくぶくと気泡が出てきた。
「泡が出てます。空気が抜けてきてるんだ…」
「呼吸に合わせてパイプの先を指で押さえて空気の量を調整しろ。肺の中から空気が出てこなくなったら。魔法で肺の傷をふさげ。喜べ、ハンナ。ガザンは助かるぞ。」
ハンナは天を仰いで嘆息した。クオパティ法制院では絶対に行わない外科治療に、魔法を使う以上に消耗した思いだった。
「よかった…これでガザンさんの奥さんと子供に恨まれなくて済みますね・・・」
ほっとした様子のハンナにアンダーソンは悪びれずに言った。
「…ガザンは独り身だ。帰ったら誰かいい友達でも紹介してやれ。こいつはケツの小さい細身の美人が好みだ。」
戦士たちの笑い声の中、ハンナがげっそりした様子でアンダーソンをにらみつけた。
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この記事にコメントする
ハンナ・・・
がんばれハンナ!負けるなハンナ!
なぜか無性に応援したくなる新米僧侶のハンナが気になって仕方ないですw
ダミーの書く小説は、キャラクターがみんな魅力的で、本当にいそうなくらいにリアルだよね・・・。
アンダーソン司祭は僧侶じゃなくてビショップだよね?
ギゾックがまだあんまし出てきてないこととアンダーソンさんの職業とハンナのモデルが気になりつつ、続きを楽しみに待ってますw
余談ですが、孤高のメスの作者もお医者様だよねw
なぜか無性に応援したくなる新米僧侶のハンナが気になって仕方ないですw
ダミーの書く小説は、キャラクターがみんな魅力的で、本当にいそうなくらいにリアルだよね・・・。
アンダーソン司祭は僧侶じゃなくてビショップだよね?
ギゾックがまだあんまし出てきてないこととアンダーソンさんの職業とハンナのモデルが気になりつつ、続きを楽しみに待ってますw
余談ですが、孤高のメスの作者もお医者様だよねw
無題
イリアさん>あ、コメントありがとうございます。こんな文章力のない駄文を読んでくださってとてもうれしいです。アンダーソンさんは見た目も中身もおっさんの僧侶なので、口を開けば冗談か皮肉を言います。
たまさん>ハンナさんがリアルなのは…ともかく、ハンナさんを応援してくださってありがとうございます、次回ぶっ殺します。あ、ギゾックは次回ロストさせます。
たまさん>ハンナさんがリアルなのは…ともかく、ハンナさんを応援してくださってありがとうございます、次回ぶっ殺します。あ、ギゾックは次回ロストさせます。
アンダソンの職業について
たまさん>なんか、質問?wみたいなコメントだったので一応…アンダーソンさんは「司祭」で上級僧侶魔法を覚えた、僧侶です。呼称として「司祭様」って感じで呼ばれているのかな…?メタいこと言うと僧侶だけだとPT内での呼び方が同じなので司祭って呼ばせました。今でいうと医師を「先生」って呼ぶみたいなものかしら。『司教(ビショップ:BIS)』ではないつもりで書いています。
無題
タイトルの通りPRIといえばドワーフしかない!
ドワーフにしたほうが盛り上がりますよ!?
え?何?ドワーフなんてダサくてダメだって?
そんなこと思うやつはちょっと裏通りに顔貸しな!
ドワーフのよさについて小1時間(ry
今回の小説も前回同様楽しくよませてもらっています!!
なかなか文才があって羨ましい限りです!
次回を楽しみにしています!
ドワーフにしたほうが盛り上がりますよ!?
え?何?ドワーフなんてダサくてダメだって?
そんなこと思うやつはちょっと裏通りに顔貸しな!
ドワーフのよさについて小1時間(ry
今回の小説も前回同様楽しくよませてもらっています!!
なかなか文才があって羨ましい限りです!
次回を楽しみにしています!
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なんか一生懸命押したり書いたりする仕事
趣味:
ゲーム・縄跳び
自己紹介:
弱い。ひたすら弱い。とにかく弱い
あるときは宝箱の中から爆弾を出すシーフ、またあるときは攻撃の届かないファイター。
ただ皆様の平和と健康と幸福を祈るだけの存在
E-mail:
wizardry_online31jp@yahoo.co.jp
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プレイヤーで作る『ファッション重視』のイベントについての質問です。
審査員などによるコーデを採点する方式のイベントと、採点を行わないショー的要素が強いイベントどっちを見てみたい?参加してみたい?
— (堕ω美) (@superstreetwiz) 2015, 12月 7